【発達障害の生き方】グレーゾーンかも? 生きづらさを感じるときに――岡田尊司

Uncategorized

しかしやってみたら、何だってできないことではなかった。家事にしても、勉強にしても、人付き合いにしても、逃げずにやるしかないと思ったら、何だってできた。自分がいままで、失敗するのが怖くて、笑われるのが怖くて、逃げていただけだということを思い知った。

発達障害「グレーゾーン」生き方レッスン 岡田尊司 SB新書

冒頭の文章は、岡田尊司の著書『発達障害「グレーゾーン」生き方レッスン SB新書』(以下、『生き方レッスン』)からの引用だ。

とても身につまされる文章だと思った。

あなたはどうだろう。少なくとも、これを読んでいるあなたには響くものがあるんじゃないだろうか。

僕たちはなにかにつけ、やるべきことをやろうとしない。
人生はうまくいっていない。そんなことは痛いほどわかっているけれど、行動できない。
そもそもここで行動ができるなら、最初から瀕することもないのだ。

そんな僕たちが踏み出す最初の一歩を、この本は示してくれていると思う。

これから、『生き方レッスン』で僕が参考にしたいと思った部分をもとに記事を書いていく。

人生なんてクソだと思っている僕らが、それでもなんとかやっていくヒントになればいいと思う。
興味を持ったあなたは、ぜひ『生き方レッスン』を手に取ってみてほしい。

どん底のときは焦るな

人生がうまくいっていないときほど、なぜか変な挑戦をしようとすることがある。
でもそういうときは、元気が出て出かけたくなるまでは行動を起こすべきじゃない。

僕の話をする。

仕事のミスが重なり、なにをしてもうまくいかないことがあった。
自分はいまの仕事に向いていないんじゃないかと思って、焦ってネットの記事やら本やらを漁った。

たどり着いた結論は、資格をとって転職しようというものだった。
僕の場合、税理士になろうとした。

通学制・通信制それぞれいくつかの予備校の資料を取り寄せた。
真剣に考えて、通信制の予備校に申し込んだ。教材の総額は10万円ほど。
僕がその教材を使って勉強したのは、1時間にも満たない。

落ち込んでいるときに真剣な考え事をするのは間違っているのだ。
僕が当時すべきだったことは、おいしいものを食べて、本を読み、元気になることだった。

不安に駆られて夜中に予備校のHPなんて見るものじゃない。

ちなみに、いまだに怒られることはあっても、なんとか仕事を続けている。
今年で3年目だ。3年目になると、それなりの経験値も蓄えられて、前より困ることも減った。

石の上にも3年は古いといわれる時代だけど、時間が解決してくれる問題もある。

焦らず、元気になるまで待ってみるのをおすすめする。

自分の価値を認められるように

自分が何かを成し遂げるとか、何かの役に立っているとか、必要とされているといった体験をすることを通じて、自分の価値を認められることが、自分に対する信頼を回復するためには必要なのである。

『発達障害「グレーゾーン」生き方レッスン』岡田尊司

ひとつ前の話に戻るが、

弱っているときに変なことを考えて負け戦をする
→失敗する
 →自信なくなる
  →変なことを考えて負け戦を……

というループが存在する。これはしんどい。
自信はみるみるうちに削れ、自分は価値のない人間だと思い詰めてしまう。

そこを抜け出す最近の流行り言葉として、

「ありのままのあなたでいい」

「生きているだけで素晴らしい」

とかいうものがあるが、それだけでは本当の意味で満たされることはない、と岡田は指摘している。

人間は社会的な生き物だ。
集団のなかで価値を認められたとき、喜びを感じる人が多いと思う。

僕は褒められれば嬉しいし、活躍できていると思えれば元気がでる。

だからどうやったら活躍できるのか、あるいはどこで活躍したいのか、それを元気なときに考えられるといい。
認めてもらうことは、自分を認めることにつながる。

人からの承認ばかりを求めて生きるのは危険だとは思うけど、それと同じくらい承認を拒否することもよくない。
もともと僕らの先祖は、小さい村のなかで協力して生きてきた。
そういう世界では人の役に立つことに喜びを感じることができた人が、より長生きをできただろう。

自分のためにはできないことも、人のためならできたりする。
まずは自分の元気を養って、それから誰かのためになにかをしていけたらいいと思う。

心にゆとりをもっていきたい

人のために行動するには、まず本人に余裕がないといけない。
自分のことに手いっぱいでは、とても他人を気にすることなんてできないだろう。
その人は夜中に予備校のHPを見ていたりするのに忙しいからだ。

でも予備校のHPを眺める代わりに、まずは早く寝る。
それだけでも、心に余白が生まれる。

睡眠不足はすべての敵だ。

まずは自分の機嫌をとろう。すべてはそれからだ。

だから、まずあなたはこのブログを閉じて早く寝よう。

目が覚めたら、『発達障害「グレーゾーン」生き方レッスン』を本屋さんに買いに行って(Amazonでもいい)、ゆっくり読もう。

すべてはそれからなのだ。

参考文献
『発達障害「グレーゾーン」生き方レッスン』岡田尊司 SB新書 2023年